理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

自己組織化と進化の論理

ボスから借りてた本なのだけどようやく読み終わったよ。けどわけわかんないよ。RNAってなんですか!わかりません!

メタなお話

かろうじて分かったところを書いてみると、とにかくメタな話です。誰もが一度は考えて思考停止する「最初の生命はどうやって誕生したのか」だとか、あるいは「生命はどうやって進化してきたのか」、それに経済の成長だとか文明の成長だとか、ぜんぶぜんぶ"自己組織化"っていう法則で支配されてたんじゃね?みたいな。


ランダムな突然変異と自然淘汰に勝ち残ったぼくたちが奇跡の結晶とかいうわけじゃなくて、生まれるべくして生まれたの!全部必然だったの!みたく著者が主張してるみたく思いました。必死です!カウフマンがんばれ!超がんばれ!

やっぱし多様性は大事

とりあえず分子とかいろいろテキトーに集めまくって、かき集めまくって密閉する。反応する確率って大概低くって、普通あんまし反応しない(してるけどわからない)みたいなんだけど、それがある閾値を超えると反応しだして、その生成物がまた触媒として作用して、他のものが反応しだして、それがまた触媒として作用しだして・・・みたいなこと言ってる。自己触媒作用だって。なにも別に起こそうとして起こしているわけじゃないんだけど、とりあえずぶち込んどけば、自発的に反応が生まれて高分子が生成されていくんだって。ぼくは化学専門じゃないのでよく知らないのですけど、分子が勝手に世界を作っていくっていうのはとてもロマンチックですね!

カオスの縁に住んでいる

でまぁそういう反応はどこに行き着きがちかというと、カオスの縁というのが主張ぽい。反応というのはおおまかに2種類に分けられて、秩序のある状態とカオスらしい。秩序のある状態というのはみんなが落ち着きまくっている。誰も声を上げないし誰も外に遊びに行かない。これはあんまし楽しくないですね。で逆のカオスというのはみんなテキトーに振る舞いまくっていて、みんなランダムで、みんなラリってる感じです。ちょっと「みんなちゃんとしようよ!」とか言うと、何してくるかわかりません!こわい!!!!もちろんこんな例えは本には書いてないですけども、大まかに言うとそんな感じぽいです。


でも進化というのも、反応というのも、うまいことその中間点、統計物理とかでときどき聞く相転移のところ、カオスの縁に留まるように勝手に調整してくれるみたいなのです。予測可能性はある程度保ったまま、カオスに陥らず、小さな変化が優雅な変化を引き起こす領域に留まる。そしてその領域こそが一番期待値が高くなることを、カウフマンが必死になって述べています。これが事実なら、やっぱし何かしら根源的な法則に支配されているのかなーみたいな気になるかもわかりません。カウフマン++。

なんかスケールがでかい

ちっちゃいネットワークの問題を考えて、すげー単純なモデル(1,0のみの状態を取るモデル)を採用しても、その状態空間は2の100000乗とかになって、やばい超やばい。宇宙の年齢だけの時間使っても探索できない!みたくなるのですが、カオスの縁における系の振る舞いは小さい状態サイクル(アトラクタ)がいくつか存在する程度で、けっこうちっちゃいみたい。こういう微小な空間に系を押し込めて、永遠に振動させることを勝手にしてくれるのってすごい!自然すごい!無償の秩序すごい!これは生物の進化とかだけじゃんく、人工物の進化にも共通して見られる現象とか言ってる。

いつカオスでいつ秩序になんの

入力が多い、隣接してる要素間の結びつきがつよいとかなるとカオスっぽくなる。逆になると秩序っぽくなる。秩序に陥るのを防ぐには、あるいは局所解に陥るのを避けるには、いろいろかき乱してくれる存在が必要。

というわけで

部分部分がわかったくらいで全体像はあんましとらえられなかったのですけども、良い言葉があったよ。他の部分はスゲー学問的だけど、ここだけなんか超アツかった。

できるだけ賢明でいなければならない。そしてあなたが実は何もわかっていないということを認めるだけの知恵を忘れてはならない。われわれみんなができるだけのことをしても、それは単に最終的な絶滅の条件を整えていくだけであり、新しい形の生命や生き方への道筋を作り上げているにすぎないのである。(中略)
最善を尽くそう。あなたは結局は、この繰り広げられる野外劇の中で三葉虫や他の誇り高き登場人物たちといっしょに、歴史を刻んでいくのである。いずれは失敗すると分かっているのに、役者の一人として登場するなんて、なんと勇気のいる大冒険なのだろう!