理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

犬に大海原を見せよう

ぼくは実家に帰ってきています.

さて実家には犬がいる.この犬は,ぼくが中学生のときに我が家に来た犬で,びっくりするところですけどこの犬は人間ではなく犬です.もう 12 歳とかで,結構な年だ.ドッグイヤーの IT 業界に生きるぼくですけど,相手は本気の犬ですから,勝てるわけがない.完全な年上になるわけですね.

ところがこの犬は,あんまし世界を知りません.我が家に来てから,散歩を除いてはほとんど外に出ないからですね.世界は広いんですけど,その一部分しか知らない.これが幸せかどうかはわりと議論が分かれるところで,この犬が知っている範囲がこの犬の世界なのだから,犬にしてみれば実は太平洋とか大西洋があろうと関係なくて,散歩コースさえあればいい.知っている世界が安泰ならばそれでいいのです.

ところがぼくは,太平洋も知っているし,世界がわりと広いことも知っている.そうすると,この犬に,もっと広い世界を見せてあげたいなーなどという押し付けがましい気持ちが芽生えてしまうのです.この犬に海を見せてあげたい! 世界を股にかける広大な海を見れば,この犬も何かを感じて,もっと楽しく生きれるようになるんじゃね?と,引きこもり気味のぼくは思ったわけです.

よし犬よ! これが砂浜だ! 広大な瀬戸内の海だ! この海の向こうに四国があり,その向こうには世界がある! こんな広い世界に犬,おまえは生きているんだよ!!

犬は波に怯えて丘の方向に逃げていきました.そうだよね.こわいよね.やっぱしいつもの散歩コースがいいね.

追記

id:kyu-hama のコメントに答える律儀なぼく.写真は波にオビえて逃げだそうとする犬.