金曜の夜はラーメンを食べることになっています。
これはぼくの鉄の意思で貫かれるべき鉄則で、しかし鉄というのはすぐ酸化したりしてガンガン脆くなって滑り台をすべった子供の半ズボンが茶色くなったりするから、鉄の意思とやらを貫けなくたって何ら問題はない。ですから、ぼくが金曜の夜にラーメンを食べなくっても誰にも責められるべきことではありません。しかしぼくは、金曜日だからラーメンをたべた。すばらしい。ぼくというヤツは意思の強いヤツだ。こうやって書くとなんかぼくはスゲー意思が強いかんじになってとてもいいですね。調子コいてどんどんこんなかんじで書こう。
ぼくはわりかしラーメンが好きですけど、それよりかずっと冷やし中華のほうがすきです。しかし、中華料理屋っていうのは、夏だけ「冷やし中華はじめました」みたいな張り紙して夏だけ冷やし中華をはじめる風見鶏みたいなヤツで、ぼくは本当に頭にキてる。おれが食いたいっていってるんだから、ずっとやればいいのによー、中華料理屋っていうのは気がきかないよなー、みたいなことは思ってもいいけど、口に出してはいけません。社会というのは我慢によって成立している。ですから、口に出さなかったら丸くおさまります。みんな自分に箝口令を敷こう!!!!!
上の段落の文章を読むとわかるように、こういう書き方をすると、ぼくはあんまし良い人間じゃないっぽいかんじがします。でも実は良い人間だから不思議だ。そういうわけで、みんな書き方なんかにダマされてはいけません。文章というのは、人の本当の姿を映さない。文章で伝わる人格っていうのは偽物の可能性がたかいです。それでも人は文章から人格を読みとろうとするから、文章力なんてわけのわからない力がハバを効かせてきて、文章力のない正直者が苦労することになる。
いいですかみなさん、このエントリは最初はラーメンを喰うというただそれだけの話だったはずなんです。しかし、なぜか途中から文章力の話にスリ変わってしまった。こういう文章は悪い文章、なにが言いたいのかわかりません。たぶんですけど作文で点数をつけると 0 点です。みなさんも読んでる間にムカついてきて、わたし、堪忍袋の緒が切れました!!とか言いだす輩もいるかもしれない。でも人生というのはながい。あと数十年くらい続く。そんなときに、ラーメンの話とか文章力の話でムカついてたらダメじゃないですか。みんなもっと一秒一秒を大切にしよう、そういう強いメッセージは、こんな風なクソエントリとして書いてもだめです。なにもつたわらない。
