理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

クーロンの法則からはじめましょう。
クーロンの法則は、2 電荷間に働く力を表したもので、2 電荷の間には電荷の積に比例し、距離の二乗に逆比例する力が働くというものですね。
\mathbf{F}=\frac{1}{4\pi\epsilon_0}\frac{q_1q_2}{r_{12}^2}\mathbf{e_{12}}
ここで、q_1,q_2はそれぞれの電荷、r_{12}は電荷1、電荷2間の距離、\mathbf{e_{12}}は電荷2から電荷1に向かう単位ベクトルです。

電荷1以外の全ての電荷によって、電荷1に働く単位電荷あたりの力を電場とかいいます。上の例だと\frac{\mathbf{F}}{q_2}とシンプルですが、もっと電荷が多ければ、その電場は\mathbf{E}=\sum_j \frac{1}{4\pi\epsilon_0}\frac{q_j}{r_{ij}^2}\mathbf{e_{1j}}なんてかんじで、全ての電荷による電場の総和になります。いわゆる重ね合わせの定理ってヤツですね。

静電ポテンシャル

さて、ここで静電位(静電ポテンシャル)の概念を取り入れましょう。
まず、ある電荷をある道筋に沿って運ぶとき、電気力に対してする仕事は、W=-\int_a^b\mathbf{E}\cdot d\mathbf{s}と表せます。ここでは、点 a から点 b に移動させるこおを考えていて、d\mathbf{s}は、その道筋に沿う微分変位ベクトルです。この仕事というのは、両端の点にしか関係しませんから、W=-\int_a^b\mathbf{E}\cdot d\mathbf{s}=\phi(b)-\phi(a)という、空間の任意の点で決められる\phiというスカラー場が存在することがわかります。これが静電ポテンシャルで、基準点を無限遠に取るとき\phi=-\int_{\infty}^P\mathbf{E}\cdot d\mathbf{s}となります。
原点にただ 1 つの電荷qがあるときの静電ポテンシャルは\frac{q}{4\pi\epsilon}\frac{1}{r}ですね。

\nabla\phi

いまここで、点(x,y,z)から点(x+dx,y,z)まで単位電荷を動かすときの仕事を考えましょう。
これは簡単で\Delta W=\phi(x+dx,y,z)-\phi(x,y,z)=\frac{\partial \phi}{\partial x}dxですね。また、\Delta W=-\int\mathbf{E}\cdot d\mathbf{s}=-E_xdxでもありますから、両者を比較してE_x=-\frac{\partial \phi}{\partial x}が分かります。y,z軸についても同様に考えると、\mathbf{E}=-\nabla \phiってことになります。