理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

ひげの剃り方

男性はひげが伸びるものであり,朝は毎日欠かさずそるものであると思っていたのだけれど,ぼくのひげは驚くほどのびない.全然のびないわけじゃないけど,ほとんど伸びない.一週間そらずにいて,1mmもたぶん伸びない.0.5mmくらい.測ったことないけど.そういうわけでぼくのひげは,成長であるとか,向上心であるとか,そういう上に伸びようとする意志を忘れてしまっているようである.


でも一週間0.5mm伸びるとすると,一年間に2.5cmくらい伸びることになる.2.5cmあるとさすがに人目が気になる感じになるはずなので,ほとんど伸びないといえど,一応そることがある.気が向いたときにそる.ほとんど向かないけど.


でまぁ,そういうヒゲ談義を同級生としてたのだけど,なんかジェルとかそういう話になった.電動ひげそりだとあんまり使わなくてもいいらしい.へぇー.たぶん1人で15へぇくらいいった.みんな物知りだ.「きとしは?」ってので,「なんかT字のやつ使ってる」って答えた.そんな,0.5mmのために数千円もするひげそりを使うほど,ぼくはお金持ちじゃないのである.現代は格差社会なのだ.「じゃぁジェルとか使ってるんやんな」て言われたので,いや使ってないって答えると,かなりびっくりされてしまった.いやいやいやいやいやいや,びっくりしたのこっちだから.ジェルてなによと.頭につけるやつしか知らんし.なんだそりゃ.わけわかめである.9年間の義務教育の中でも,T字ひげそりにはジェルだとか聞いたことない.せいぜいスイミーだとかレオ・レオニだとか,まどみちおとかそういう話くらいである.ひげそりとジェルの話はなかった.


よくよく話を聞くと,普通,T字ひげそりをジェルなしで使うと血まみれらしい.危なかった.どうやらこれまで,血まみれと表裏一体の人生を送ってきていたもよう.危うく死ぬところであった.3本100円の切れ味の悪いひげそりを使っていたからこそ助かったのかもしれない.というわけで,壮大なスケールで「ケチは美徳だなぁ」ということを後生に語り継ぐお話である.映画化希望.