ネットワークのローカルな研究会があったときに、
「待ち行列はランダム性に縛られているのかもしれない!!!!!」
「制御理論も線形でなくなると今のところ限界がある!!!!!!」
という感じの熱い議論が展開されていて、ぼくは血沸き肉踊るみたくクソ興奮して聞いていたとか書きたいんですけど、実際はその研究会の前日ぼくは研究室のcgiフォルダを消して皆様に迷惑をかけて落ち込んでいたので、あんまし血は沸いてないです。
何はともあれそんな折に、t.E.T.uが非線形科学を読破した報告と、読後感に関するそそる文章を書いていたので、ぼくはそそられてしまったのでした。
非線形科学と銘打たれた本を読んだ後も、何をもって非線形と言うのかについてはぼくの読書力の欠如によって結局よく分からなかったのですが、扱っているのは互いに影響を及ぼし合うことが前提の多体問題。
ミクロな世界を突き詰めてマクロな世界を理解しようとするのもいいけど、マクロをマクロとして扱うと面白いぞお前ら!!みたく、蔵本先生大興奮なかんじです。
一方で、蛍の同期ですとかアトラクタですとかチューリングパターンですとか、研究室の他の人が研究で扱っているけどぼくは扱っていないような現象がオンパレードで、のけ者にされたみたいな気もします!!
自然はおもいっきしダイナミックで、いろんな現象を僕たちに見せてくれるサービス満点なエンターテイナーで、ぼくたちは尊敬しないとダメですね。
でもそのエンターテイメントを生み出す駆動力は、自然が坂道を転がるようにしてエントロピーを増やしていく不可逆過程の賜物で、なんか火を灯しながら短くなるロウソクみたいな儚さを感じてしまった。
最終的に一定の制約条件の下でエントロピーが最大化されるみたいなんですけど、それが条件で制約される局所解であるとしても、なんにも考えずに良い答えが出せて自然ってすごいなぁと、そんな感想を持ったのです。
ぼくなんかはどっち付かずの宙ぶらりんの状態で中途半端に生きながらえておりますから、自然すごい超すごい。
お前それ非線形科学の感想じゃないじゃんアホかと言いたい気持ちは十分分かるんですけど、蔵本先生は
本書を読み終えられて「自然の見え方が少し変わった」と感じられるなら、私の挑戦は報われたといえるでしょう。
とおっしゃられておりますので、蔵本先生の挑戦が報われてよかったし、ぼくもよかった。みんなハッピーになれてとてもよかったです。