みなさん、秋といえば読書の秋、量子力学の秋です。ぼくが決めた。今決めた。
本のタイトルにある「目で楽しむ」っていうの、量子物理学者の顔写真が大量に載ってるのと、実験の写真が大量に載ってるだけなので、あんまし目で楽しめるわけじゃないです。ヒゲのおっさんの写真おおいし。
しかし、厳密な数式だけではなく文章で物理現象を説明してるところは新書とおなじなのですが、その説明の流れが鮮やかで、説得力があります。学問と歴史読み物が良い感じで融合していて、時間を忘れて読めます。訳がもうちょっとこなれているとなお良かったのですけど。
章構成は以下のような感じ。
- 波動と粒子の対比
- ハイゼンベルクと不確定性
- シュレーディンガーと物質波
- 原子と原子核
- 量子トンネル効果
- パウリと元素
- 量子協力現象と超流動
- 量子飛躍
- 量子力学
- 星の死
- ファインマン・ルール
- 弱光子と強いのり
- あとがき --量子力学と空想科学小説
かの有名な二重スリットの実験からスタートしてハイゼンベルグの不確定性原理、シュレーディンガーの猫と一通りの有名どころは抑えてますし、パウリの排他律から量子暗号や量子コンピュータの簡単な仕組み、恒星の一生など、量子力学の応用分野を広く抑えているので、それぞれの章が非常に興味深く読めました。
しかし、どの本みても素粒子の話になってくると途端にわからなくなるのなんとかしたいです。