プログラミング言語の書籍だったり講義だったりで最初にやらされるの、だいたい Hello, World! だったりする。
#include <stdio.h> int main() { printf("Hello, World!\n"); return 0; }
自分でコンピュータに "Hello, World!" で言ってくれって指示して、コンピュータから "Hello, World!" って言われる。"Hello, World!" って英語だからちょっといい感じだけど、実際「こんにちは!」ってかんじだとおもう。
コンピュータに「"こんにちは!" って言ってほしいな」って指示して、コンピュータに「こんにちは!」って言われる。なんだか物悲しい光景だとおもう。
すぐ「こんにちは!」って言ってもらえたらまだ良い。ちょっとでもバグがあると、一人でモニタに向かって、コンピュータに「こんにちは! って言って! ねぇ言ってよ!!」ってあがいて、切望して、懇願することになって、「なんで言ってくれないの、なんでなの」ってなって、「コンピュータですらぼくの気持ちを理解してくれない」ってなって、泣いて、心が張り裂けそうになって、それでもがんばって、コンピュータに気持ちを伝えようと必死になって、「お願いします、お願いします」って頼んで、願って、祈って、卑屈になって、それでようやくコンピュータに「こんにちは!」って言ってもらうことができる。
でもコンピュータ、「こんにちは!」以外になにも言ってくれない。すごくドライ。最後のエクスクラメーションマークが、悲壮感倍増させてる気がする。「こんにちは!」ってだけ言って、ほかになにもいわないの、都会の人付き合いな感じがする。
Nerd という語句を象徴してるかんじだった。Hello, World やるくらいだったら、fizzbuzz やったほうが機械的な感じで割り切れるし、変に期待しないでいいし、好ましいとおもう。