理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

「人喰いの大鷲トリコ」に感じた生きている感覚

ここまで感情移入ができたゲームはこれまでありませんでした。もう現実と変わらないです。本当に生きてる。


The Last Guardian – CG Cinematic Trailer | PS4

人喰いの大鷲トリコ

人喰いの大鷲トリコは、ICO、ワンダと巨像に続く、上田ワールド全開の作品です。E3 2009 に発表されて早 7 年、プラットフォームを PS3 から PS4 に移し、もう開発は中止されたんじゃないかという噂を乗り越え、ようやく発売になりました。

「ICO」と同様に今作も男の子が主人公で、壮年になった主人公が過去の冒険を振り返る形で物語は始まります。自分の知らぬまま連れてこられた神秘的な雰囲気の廃墟から、主人公は様々なギミックの謎を解きながら脱出を試みます。 その脱出のパートナーとなっていくのが大鷲トリコ。主人公が気付いたときには、傷つき鎖で繋がれたトリコがそこにいました。

ゲームタイトルにあるように「大鷲」トリコは鳥の翼と足を持ってはいますが、ぼくたちの知っている「鷲」ではありません。猫のような耳、鼠のようなしっぽ、そして何より、犬のような態度と純粋さ。 ゲーム開始当初は、お互いが脱出するためだけに力を合わせるだけ。トリコの食べ物が入っている樽を与えても、主人公が離れないと食べてくれない。食べ物がないと、主人公が溺れるかもしれないのに水に入ろうともしてくれない。

冒険を繰り返すうちに、そんな二人に静かな絆が結ばれていきます。 主人公を隣にうとうとと眠るようになり、手渡しで樽を食べてくれ、声をかけると湖にも飛び込んでくれるようになる。見たこともなかった獣が、いぶかしげに首をかしげ、つぶらな瞳で目を見つめ、共感、信頼がゆっくりと結ばれていくのは、ゲームではなければできない表現だと思います。

ゲームでしかできない表現、ゲームでしかできない感情、それが人喰いの大鷲トリコには満ちています。 ゲームでここまで感情を、それも感動とかではなく、慈しみみたいな感情を覚えたのは初めてでした。