理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

dev containerを使って開発環境をコンテナに封じ込める

気になっていたのに触っていなかった技術としてdev containerがあった。 Dev Containerはその名前の通り、開発環境をコンテナ化する技術。 そうすると「開発環境とは何か」という話になるわけだけど、ここでいう開発環境とは「コードを書くための環境」であ…

「先送り0(ゼロ)」を読んだ

「先送り0」を読みました。 先送り0(ゼロ)―「今日もできなかった」から抜け出す[1日3分!]最強時間術作者:jMatsuzaki,佐々木 正悟技術評論社Amazon タスク管理とTaskChuteCloud 先送り0 タスク管理の罠 順算のアプローチはアジャイル的 終わらせるより…

Gmailで全メールをアーカイブする

Gmail、碌に読んでいなかったらメールが大量に溜まってきていて、大量に溜まってきた結果としてメールを読まなくなるという悪循環になっていた。 メールマガジン系はオプトアウトしまくったのだけれど、それでも受信トレイが綺麗にならない。受信トレイだけ…

エンジニアリングとマネジメント

エンジニアリングに携わっていると「マネジメントは嫌だ」という声を聞く機会を多く聞く。それはそれで尊重されるべき考えだと思う。僕も色々マネジメントと呼ばれる業務が増えてきて、ウッて思うところはある。もっと設計・実装に携わっておきたい。エンジ…

最も良い候補者を選択する戦略(秘書問題)

統計学の勉強をしているときに出会ったのが「最良選択問題」という、ある条件のもとで最も良い選択をするときにどうすればよいか、という問題です。 こう書くとなんのことがわからないのですが、たとえば次のように説明できます。 あなたは秘書を雇う必要が…

レルネンとゼーリエ、フリーレンとヒンメルの「孤独」に関する関係性

葬送のフリーレンのアニメが秋から始まり、妻ともども毎週楽しみにしています。 アニメはこの1月から「一級魔法使い試験編」に突入しています。 僕はもう単行本を読んでいるので今後どうなるかというのは知っているのですが、アニメを見つつ改めて単行本を読…

単調族が有限加法族の場合、それは$\sigma$-加法族である

単調族の定義 集合 $X$ に対して、$X$ の部分集合族 $\mathfrak{M}$ が単調族であるとは、以下が共に成立することをいいます。 $A _{n} \in \mathfrak{M}$で$\lbrace A _{n} \rbrace$が単調増加ならば$\lim A _{n} \in \mathfrak{M}$ $A _{n} \in \mathfrak{…

AWS SDKのサポート期間

aws

プロダクトの新規開発はもちろん、一度リリースした後も、プロダクトの維持・保守は重要です。 プロダクトの維持・保守には、セキュリティパッチの適用、バグフィックス、機能追加などが含まれます。 そこでは当然、利用しているライブラリのEOL等も認識して…

RyeによるPython環境構築

僕がPythonを使っていたのは2015年までなのですが、その頃とは打って変わって、Pythonの環境構築に関するツールは充実してきた印象を受けています1。その中で、これ良さそうだなと思ったのがRyeでした。 Ryeとは ryeのインストール shimにPATHを通す ryeの補…

今年の目標:Blogを書くこと、業務を早めに終えること

Blogを書く 毎日を充実させたい 業務を早めに終える 勉強テーマ 分析 可視化 1/4になって今年の目標というのも遅い気がしますが、今年の目標を立ててみました。 Blogを書く 僕がこのBlogに求めることはいくつかあります。もちろん承認欲求を満たすということ…

極限操作と積分の順序交換(ルベーグの収束定理、ルベーグの有界収束定理)

極限操作と積分の順序を入れ替えても良い条件については、ルベーグの単調収束定理が有名です。これは、非負値可測関数列$\lbrace f _{n} \rbrace$が単調増加列であることを必要としています。 今日はある可積分関数$\varphi(x)$の存在を前提として極限操作と…

2023年に買ってよかったガジェット

昨年は、かなりライフチェンジングなガジェット等との出会いがあって、非常に購入体験が良い年でした。 SwitchBot ハブ2 SwitchBot S1 Plus SwitchBot LEDテープライト JBL FLIP ESSENTIAL2 ポータブルBluetoothスピーカー MATECH GanCell 10000 60W Anker 7…

単調増加しない非負値可測関数列$\lbrace f _{n}(x) \rbrace$にも成立する性質:ファトゥの補題

ルベーグの単調収束定理は次のようなもので、非負値可測関数列$\lbrace f _{n} \rbrace$が単調増加列であることを必要としています。 $E$の上で$0 \leq f _{1} \leq f _{2} \leq \cdots \leq f _{n} \cdots, \displaystyle \lim _{n \to \infty} f _{n} = f$…

2023年のミーティング時間をChatGPTで解析してみる

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僕は、タイムトラッキングはそれなりに必要なものだと思っています。タイムトラッキングをすることで、自分の時間の使い方を客観的に見ることができます。 私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタ…

極限操作と積分の順序交換(ルベーグの単調収束定理)

今日は、当たり前のようにやっている極限操作と積分の順序交換についてです。これはルベーグの単調収束定理と呼ばれるものですが、その証明を見ていきます。 測度空間$(X, \mathfrak{B}, \mu)$を考え、以下$E \in \mathfrak{B}$とします。 補題: 非負の単関…

GitLabにもSecret Detectionがある

世の中パスワードやアクセスキーといったSecretを公開リポジトリにPUSHしてしまうというような事故が起きます。GitHubにはSecret Scanningという機能があり、PUSHされた内容をスキャンしてSecretを検出できます。 もちろんGitLabにも同様の機能があり、Secre…

任意の関数は単関数で近似できる(単関数近似定理)

ルベーグ積分の定義は単関数に基礎があります。 空間$X$とその部分集合の$\sigma$-加法族$\mathfrak{B}$、$\mathfrak{B}$上の測度$u(A)$が与えられたとする。集合$E \in \mathfrak{B}$と$E$上の$\mathfrak{B}$-可測関数$f(x)$があるとき、$f(x)$が単関数$f(x…

具象構文木でdiffが取れるdifftastic

ソースファイルをdiffで比較する ファイルやディレクトリの差分を確認するコマンドは、diffです。 diffは一般に文字列で比較するため、プログラミング言語のソースファイルのdiffをとる場合は、何が変わったかわからないことが多くありました。 たとえば次に…

ルベーグ積分に至るまでの各種定義・積分の定義

ルベーグ積分を学ぶにあたって、まずは定義を押さえておかなければ話にならないので、本エントリで基本的なことをまとめておきます。 定義 $\sigma$-加法族 空間$X$の部分集合族$\mathfrak{B}$が次の条件を満たす時、$\mathfrak{B}$を$X$上の$\sigma$-加法族…

Unicodeの正規化、UCDに記載された分解結果について

Unicodeの正規化については以下で書きました。今日はその補足です。 なぜUnicodeの正規化が必要になるのか では「同じ」とはなんなのか 合成と分解 では具体的に見てみましょう 分解結果はどう定義されているのか 正規化実装ソース なぜUnicodeの正規化が必…

有限加法族とジョルダン測度

ルベーグ積分を定義するにあたっては色々な準備が必要で、まずはその初歩となる加法族、完全加法的といった定義を押さえていきます。 有限加法族 与えられた空間$X$の部分集合の族$\mathfrak{F}$が以下の条件を満たすとき、$\mathfrak{F}$を有限加法族と呼び…

印鑑レス口座の振替依頼手続きに印鑑が必要だった話

届出印を変更するより、印鑑レス口座にした方が便利そうじゃん 印鑑レス口座とは かんたん手続アプリで印鑑レス口座に切り替えてみる 口座振替依頼書を持って銀行へ行く 印鑑レス口座を用いた振替依頼には印鑑が必要だった 振り返り 先日、三菱UFJ銀行への口…

測度論:ルベーグ測度と可測集合

測度とは何か 測度が満たすべき条件 外測度の定義 測度が定義できる集合 可測である条件の言い換え $R$は可測集合か $A$が可測ならその補集合は可測か $\emptyset$は可測か $A,B$が可測なら$A \cup B$は可測か $(X \cap A) \cup (X \cap A ^{C} \cap B)$ $A,…

中心極限定理を証明するために:測度論との出会い

大数の弱法則の次は中心極限定理です。 中心極限定理は非常によく知られた定理ですが、高専・大学とこの辺りは「そういうものだ」して、しっかりした証明を学ぶことはなかったように記憶しています。今回せっかく統計を学ぶのならと中心極限定理の証明を理解…

RAGとFine-Tuning:LLMが持っていない独自の知識を使うには

ai

最近はどこもかしこもGenerative AIの情報で溢れるようになってきています。その中でもよく聞くのが、LLMが未学習である情報(例えば、企業等の組織内のデータ)を学習させ、それを元にした利用がしたいという話です。 LLMが未学習の知識を利用したい RAG (…

チェビシェフの不等式と大数の弱法則

チェビシェフの不等式 期待値$\mu$、分散$\sigma ^{2}$を持つ確率分布に従う確率変数$X$があるとします。 このとき任意の実数$k > 0$をとり、分散$\sigma ^{2}$の定義式から不等式を導いていくと、次のような不等式が導けます。これをチェビシェフの不等式と…

自由度$(m _{1}, m _{2})$であるF分布の確率密度関数を導出する

独立に$\chi ^{2} (m _{1}), \chi ^{2} (m _{2})$に従う2つの確率変数 $W _{1}, W _{2}$があるとき、それぞれをその自由度で割って比をとった $$ F = \frac{\frac{ W _{1}}{ m _{1}}}{ \frac{W _{2}}{ m _{2}}} $$ が従う分布を、自由度$(m _{1}, m _{2})$の…

VSCodeでNerd Fontsを表示させる

Nerd Fontsとは何か Nerd Fontsは、著名なプログラミング用フォントにグリフをまとめて追加したものです。 GitHub - FortAwesome/Font-Awesome: The iconic SVG, font, and CSS toolkitやGitHub - primer/octicons: A scalable set of icons handcrafted wit…

$t$分布の期待値と分散

今日は$t$分布の期待値と分散を求めます。 期待値 分散 積分項を求める 分散を求める 自由度が$m$である$t$分布の確率密度関数は次の式でした。 $$ f _{m} (t) = \frac{\Gamma \left( \frac{m+1}{2} \right)}{\sqrt{\pi m} \cdot \Gamma \left( \frac{m}{2} …

Starshipを使ってシェルプロンプトをカスタマイズする

重い腰を上げてWindowsマシンでCygwin環境を構築することにしたとき、やはり気になるのがシェル環境です。 As-is Starship プリセット プロンプト設定の何が嬉しいのか 設定 As-is 僕のメインPCであるMacでは、以下のようなプロンプトを使っていました。 Pow…