理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

physics

重力とは何か

ひさしぶりの physics タグのエントリ。 ここ最近、物理クラスタだけでなく一般ニュースレベルで、重力波発見のニュースが盛り上がりました。 電磁波はちょっと頑張ればシールドできる一方で、重力波というのは防ぐことはできません。逆にいうと、重力波とい…

大栗先生の超弦理論入門

現代物理学といえば素粒子であって、素粒子論といえば超紐理論です*1。 これまでいくつかの本でこのあたりに触れてはきました。 が、未だ「超紐理論」自体の具体像まで理解が進んでおらず、今回、wikipedia:大栗博司 先生のお超紐理論に入門してみようかと思…

物理法則の対称性

久々にファインマン物理学読もうとしたけどどこまで読んだか忘れてしまいました。どこまで読んだのかエントリ読み直したらわかるんだけど、エントリ読みなおすのメンドいから、最後から読むことにしました。というわけで、今日は 27 章の物理法則の対称性に…

エレガントな宇宙−超ひも理論がすべてを解明する

あ、あれ、か、解明してない…解明してない!!!!! ISBN:4-7942-1109-0:detailエレガントな宇宙というと、宇宙がエレガントなわけですけど、本質的な宇宙の理解を人類が得ているのかというはそれはもう断固として否なわけです。 宇宙に満ちるエネルギーのうち、…

剛体の回転

ISBN:4-00-007711-2:detailというわけで遅々としながらも進んでいるファインマン物理学なのだけれど、ようやく剛体まできました。剛体と振動がおわったら、第一部である力学がおわって、第二部の光・熱・波動にすすむ感じです。 ぼくが高校(高専)で物理を学…

光速の電車の中で光速でボールを投げたとき、ボールの見た目の速さは光速を越えられるのか

ファインマン物理学の力学 16 章、「相対論的エネルギーと運動量」まで読み終わった。 ISBN:4-00-007711-2:detailやっぱりこの本はおもしろい。 読めば読む程に新しい発見が見つかるスルメのような本なのだけれど、そしてその事実は、ぼくが如何に物理学をし…

質量の導出

ファインマン物理学、引き続き地道に読んでて、いま第 15 章の「特殊相対性理論」読み終わった。 ISBN:4-00-007711-2:detail やっぱり、特殊相対性理論は何度みてもきれい。物理学、数学と違って観測をベースにするから、本質的に近似という概念から逃れられ…

ファインマン物理学 (6 章まで)

まだ 6 章までだけど、ファインマン物理学読んでる。 原本は 3 冊構成なんだけど、翻訳版だと 5 冊構成になってた。ISBN:4-00-007711-2:detailファインマンが大学でやった講義をまとめ直して本になってるんだけど、6 章までだと力学の話ほとんど出てきてなく…

「無」の物理学

ISBN:978-4-315-51882-5:detail雑誌 Newton のムック。タイトルの「無」には物理学でいう「真空」と、宇宙創成前の「無」、そして量子の大きさが「無い」という 3 つの意味を持たせていて、それぞれについて以下のような章が割かれる構成。 真空は「無」なの…

電気双極子

wikipedia:電気双極子を見ると、 次の式で示される、p を電気双極子モーメント(或いは単に双極子モーメント)と言う。 ここで、 d は負電荷 -q から正電荷 q へ向かうベクトルである。 原点に存在する電気双極子 p が距離 r の点に作る静電ポテンシャルφ(r)…

クーロンの法則からはじめましょう。 クーロンの法則は、2 電荷間に働く力を表したもので、2 電荷の間には電荷の積に比例し、距離の二乗に逆比例する力が働くというものですね。 ここで、はそれぞれの電荷、は電荷1、電荷2間の距離、は電荷2から電荷1に向か…

宇宙を織りなすもの(下)

図書館からの返却期限ギリギリで読了。 ブライアン・グリーンが空間とは、時間とは何かを著した 2 巻構成の下巻です。上巻については宇宙を織りなすもの(上) - 理系学生日記で書きましたが、下巻は宇宙の原初、そして現代物理学の課題についてといった内容で…

ストークスの定理を理解しましょう

ガウスの定理のつぎは当然ストークスの定理です。 循環 を任意のベクトル場とするとき、ある閉曲線を考えます。この閉曲線に沿うの成分を、曲線を巡って積分するとき、この積分をベクトル場の循環といいます。 小正方形のの循環 ある正方形の循環を求めます…

ガウスの定理を理解しよう

やはり量子力学を学ぶためにはその前段として電磁気学の基礎を学んでいた方がよかろうかと思い立ちました。 というわけで、今日は、物理というよりは数学の匂いがしますが、ガウスの定理を理解しなおしましょう。 ガウスの定理とは、 ってヤツです。ここで、…

質量はどのように生まれるのか

質量とは何なのか。そこに存在しているのだからそれでいいじゃんという話はもちろんありますが、"なぜ"に答えたいという人間の好奇心という欲望は、底を知りません。 CERN の発表でヒッグス粒子がにわかに注目をあつめましたが、ではもしヒッグス粒子が発見…

宇宙を織りなすもの(上)

今年のぼくの物理学探訪の旅もこれが最後、 本書は「エレガントな宇宙」で紐理論を分かりやすく展開したブライアン・グリーンが、時間とは何か、空間とは何かという物理学者の疑問とその調査の現状を、古典物理学から現代物理学までの歴史とともに膨大なペー…

神の素粒子

2011 年 12 月 13 日、CERN (欧州原子核研究機構) から、ヒッグス粒子っぽいのが出てきたよ、まだ更なる実験が必要だけどね、という統一見解が発表されたことをご存知でしょうか。 http://press.web.cern.ch/press/PressReleases/Releases2011/PR25.11E.html…

ブラックホール戦争

レオナルド・サスキンドといえば、紐理論の父と呼ばれる理論物理学者ですが、 そのレオナルド・サスキンドが、"車椅子の物理学者" スティーブン・ホーキングの説いた「ブラックホールに吸い込まれた情報は永遠に失われる」という理論を約 30 年かけて如何に…