理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

ストークスの定理を理解しましょう

ガウスの定理のつぎは当然ストークスの定理です。

循環

Cを任意のベクトル場とするとき、ある閉曲線を考えます。この閉曲線に沿うCの成分を、曲線を巡って積分するとき、この積分をベクトル場の循環といいます。

小正方形のCの循環

ある正方形の循環を求めます。この正方形の頂点座標は、それぞれA(x,y),B(x+\Delta x,y),C(x+\Delta x,y + \Delta y),D(x,y+\Delta y)とします。
最初の辺 AB のCの循環は単純で、C_x(A)\Delta xですね。同様に、辺 BC についてはC_y(B)\Delta y、辺 CD はC_x(C)\Delta x、辺 DA はC_y(D)\Delta yです。
したがって、この循環は\oint \mathbf{C}\cdot d\mathbf{s}=\left(C_x(A)-C_x(C)\right)\Delta x+\left(C_y(B)-C_y(D)\right)\Delta yとあらわせます。

ここで、C_x(C)=C_x(A)+\frac{\partial C_x}{\partial y}\Delta yC_y(D)=C_y(B)-\frac{\partial C_y}{\partial x}\Delta xとなるから、結果として、
\oint \mathbf{C}\cdot d\mathbf{s}=\left(\frac{\partial C_y}{\partial x}-\frac{\partial C_x}{\partial y}\right)\Delta x\Delta yとなる。この括弧内の値は\Delta \times \mathbf{C}z成分、つまりは正方形の法線成分であるから、この式は\oint \mathbf{C}\cdot d\mathbf{s}=\left(\nabla \times \mathbf{C}\right)\cdot \mathbf{n}\Delta aとあらわせます。

1 つのループの循環は、その部分ループの循環を足し合わせたものに等しいです。
このため、任意のループ\Gammaのまわりの循環は、上で考えた無限小の正方形の循環を\Gamma内の分だけ足し合わせれば良いので、S\Gammaを縁とする面とすれば、\oint_{\Gamma}\mathbf{C}\cdot\mathbf{n}\;d\mathbf{s}=\int_S(\Delta \times \mathbf{C})\cdot\mathbf{n}\;daとなり、ストークスの定理が導かれます。