単調族の定義
集合 $X$ に対して、$X$ の部分集合族 $\mathfrak{M}$ が単調族であるとは、以下が共に成立することをいいます。
- $A _{n} \in \mathfrak{M}$で$\lbrace A _{n} \rbrace$が単調増加ならば$\lim A _{n} \in \mathfrak{M}$
- $A _{n} \in \mathfrak{M}$で$\lbrace A _{n} \rbrace$が単調減少ならば$\lim A _{n} \in \mathfrak{M}$
単調族が有限加法族の場合、それは$\sigma$-加法族である
集合族$\mathfrak{M}$が単調族で、かつ有限加法族の場合、$\mathfrak{M}$は$\sigma$-加法族です1。
これは次のように証明できます。
まず、$\mathfrak{M}$が有限加法族であるという前提から、次の2つは明らかです(有限加法族の定義そのものです)。
- $\emptyset \in \mathfrak{M}$
- $\forall E \in \mathfrak{M} \Rightarrow E ^{C} \in \mathfrak{M}$
このため、$\mathfrak{M}$が$\sigma$-加法族であることを証明するためには、次の式を証明すれば良いです。
$$ \forall A _{n} \in \mathfrak{M}\; (n=1,2,\cdots) \Rightarrow \bigcup _{n=1} ^{\infty} A _{n} \in \mathfrak{M} $$
$\mathfrak{M}$は単調増加ですから、$\mathfrak{M}$が単調列であるという前提から$\displaystyle \lim _{n \to \infty} B _{n} = \bigcup _{n=1} ^{\infty} A _{n} \in \mathfrak{M}$。
- ここで有限加法族、$\sigma$-加法族の定義はそれぞれ有限加法族とジョルダン測度 - 理系学生日記、ルベーグ積分に至るまでの各種定義・積分の定義 - 理系学生日記にあります。↩