最近は研修用の資料をチームでいろいろ作っています。 研修はある程度の部分をスライドで伝える形になるのですが、チームでどのようなスライドを作るのかを考えるにあたり、自分の「スライドを作り方」を言語化する必要がありました。
自分がどういうことに気をつけてプレゼン資料を作ってきたのか振り返る機会もなかったので、ここで言語化してみます。
ちなみに僕自身はプレゼン論をまだ学んだことがないので、ここで記述しているのは自分自身の経験にしか基づかない「独りよがり」な意見です。もうちょっと、しっかりと学んでみたいものですね…。
自分で考えられることには限りがある。独りよがりな意見のままにしない。
「人につたえる」物を作る上で最初に認めないといけなかったことは、自分だけの考え・想いを汎化することには限界があるということです。
個人の想いをただ書き散らかしたところで、そこには深みも、何より説得力が生まれません。
- 経験が限られる中で、自分の考えが本当に「伝える」に値するのか
- 伝えるだけの実績を積んでいるのか
これらを正面から考える中で取れる方策は「巨人の肩の上に立つ」ということでした。
- 伝えたい分野に関しては、往々にして先駆者がいる
- 先駆者の書き残した知見がある
であればその知見をベースに物事を伝え、自分はそれに対する身近で具体的な事例、気付きを付加する。受講してくれる人に対して、"先駆者の知見"にはない「コンテキスト」を補強する。それにより、遠い世界の物事ではなく身近な話として認識してもらい、「自分のこと」として実感してもらう。そういう方法を取れば費用対効果が良いと考えるようになりました。
この方法の実践に必要なのは「伝える」分野に関する知見をどれだけインプットしたか、です。その中から「自分の伝えたい内容」について「この本にこういうことが書いてあったな」というマッピングができれば、必要に応じてそれを引用すれば良い。
スライドの内容を絞る
人に内容を伝えるだけなら、スライド化せずに単に文章を読ませる方が良いです。 スライドにする意味は何かというと、僕は以下だと考えています。
- 強調したい点の「要約」
- スライドを見る人の想像力の引き出し
この 2 つの目的に沿った共通するスライドは何かというと、記述しておく内容を絞る、という点です。1 スライドあたりの情報を絞るという意味では、高橋メソッド は最たる例ではないでしょうか。
私自身は、1 スライドで言いたい内容は多くても 1 つに絞ります。 1 スライドに記載するのは、その「言いたい内容」に到るまでの論理展開です。論理展開を複数スライドで構成することももちろんありますし、むしろそちらの方が多い気もします。
想像力をもってもらう
スライドを見る人に当事者意識をもってもらう、あるいは自分ごととして想像してもらうために、いくつか工夫をしています。
- 体言止め、単語のみ表記の多用
- 文章にしてしまうと、読む人がそれ以上想像してくれない印象があります。このため、単語だけで表現を止める、単語だけでは伝わらないなら体言止めにして余韻を残すといったことをします
- 煽りの多用
- 「こういうことをやってしまっていませんか?」「こういう当たり前のことをできてないだけじゃないですか?」という投げかけ(煽り)を含めることが多いです
文章構造に気を付ける
例えば、箇条書き(HTML で言う ul
)で記載する内容は「並立」構造を持ちます。
つまり、そこで記載されている内容は互いに交換可能なはずです。
そこに順序があるのであれば、番号付きの箇条書き (HTML でいう ol
) を使います。
一方で、この箇条書きを「順接」として使ってしまうと、スライドを見ただけでは論理構造がわかりづらくなってしまいます。
1 点目の内容を前提に、2 点目の内容が導き出されるというような文章構造をとる場合、ぼくは文章間で矢印をつけて論理構成を明示するパターンが多いです。スライドを見て論理構成がわかるようになると、そういう構成なのだとわかった上で話を聞いてくれるので、理解度が増す(はず)と考えています。