理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

「インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド」を読んだ

昨年度から「インサイドセールス」という部分に少し関わっていたのですが、なんとなく業界の概況がわずかに分かったかなというところから、なかなか進歩がありませんでした。

最近常々感じているのは、サービスをシステムから支える人間として、業務知識を持つこともユーザーを知ることも必須なんだろうなということです。

テクノロジーとかアーキテクチャとかコード設計以前に、ユーザー価値やビジネス価値に目を向けることをいつの間にか忘れてしまうんですよね。 そして、ユーザー価値、ビジネス価値とはというところを考え出すと、まず自分達が関わっている業種のことを理解しないといけない。そうしないと自ら考えることすらできないから。

そういう課題感のもと、遅ればせながらまずは一冊目、こちらの本を読みました。

インサイドセールスとは

【2022版】インサイドセールスとは?基礎知識やメリット・特徴・役割を解説から僕なりにまとめると、以下のようなことを行う営業活動です。

  • 見込み顧客(リード)に対して、メールや電話、ウェブ会議ツールなどを使って非対面で行う営業活動
  • 顧客へヒアリングしながら、顧客にも明確でなかった課題を顕在化させ顧客の検討段階を遷移させる等のリードナーチャリングを行う

一言でインサイドセールスと言っても色んな形態があるようです。

  1. インサイドセールスで商談までを獲得し、その後の契約(成約)は営業(フィールドセールス)が担うという分業型
  2. 商談の成約までを完結させる独立型
  3. ターゲット企業の規模や地域によって分ける混合型

書籍より引用

ネットで調べる限り、「インサイドセールス」と言った時はこの「分業型」を指すことが多い印象でした。 このタイプのメリットは、特定業務に集中できることによる生産性の向上にあります。 一方で、特定業務に集中することにより担当者のキャリアが描きにくいというデメリットもあるようでした。 その点で、インサイドセールス従事者はマーケティングや営業部門へのキャリアパスが伸びるようです。

インサイドセールスの必要性

インサイドセールスの隆盛は、ユーザーの購買行動の変化に起因します。 オンラインでの情報収集や(コロナ禍も含め)オンラインマーケティングが容易になった結果として、マーケが取得できる「リード」の数は格段に多くなりました。一方で、リードから成約に結びつく「打率」は低下していきます。 マーケティングによって獲得したリードを選別し、成約に至る「打数」と「打率」を上げていくところが、インサイドセールスが求められている背景であると理解しました。

インサイドセールスがそれだけのリードに対応しようとすると、どうしてもテクノロジーが必要になります。

CRM1で一元化された情報から対象となるリードを抽出し、MA2でメールを送信。メールの開封やURLのクリックなどの反応があった場合の見込み顧客を即座に把握し過去の閲覧履歴を参照しながら電話やメールでアプローチし、オンライン商談システムで商談を行いそのまま受注する。

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド

インサイドセールスが求められる背景からも、テクノロジーの支援は必須だといえるのでしょう。

インサイドセールスの目的

最終的な目的は、商材に関する「売上への貢献」です。 インサイドセールスとして、いくら良い商談を提供しても、売上に貢献しなければ意味がない。

そうすると、冒頭の「分業型」を前提とすると、インサイドセールスとフィールドセールスとの間のフィードバックサイクルが必要になります。インサイドセールスからフィールドセールスに提供する商談の質や顧客層は適切なのか、売上を阻害する要因がないのか等。

マネジメント

インサイドセールスを担う役割にはSDRやBDRと言ったものがありますが、そのようなロールを担う方のマネジメントも必要になります。個々人の架電数は目標通りか、転換率の推移はどうか。 このような数値化と可視化も、インサイドセールスを支えるテクノロジーが提供しないといけない範疇なのでしょう。

感想

書籍としては、タイトルの通り「インサイドセールスを担う営業組織を強化していくため」のノウハウが詰まったものでした。 「インサイドセールス」という業態の理解を深めたいという僕自身の目的からは外れていたのですが、それはこの書籍が悪いわけではありません。 セールステクニックやチームマネジメントまで踏み込みがあり、あまり経験のない中でインサイドセールスの組織を立ち上げていきたい、という場合はとても良い本に感じました。

僕自身としては、もう何冊か、この業界の書籍を読んでみる予定です。


  1. Customer Relationship Management

  2. Marketing Automation