就活中の学生さんによく聞かれることの中に、なんでこの会社に入ったんですか、今の仕事内容はなんですかっていうような話とともに、どんな人と一緒に働きたいですかっていうのがある。理由がよくわからないんだけど、就活戦線前半の、いわゆる意識高い系の学生さんに聞かれることが多くて、就活中盤〜後半だとこういうことがなくなる。まぁそれはおいておいて。
どんな人と一緒に働きたいですか、っていうの、あまり考えたことがなかった。いや、そりゃ仕事内容には色々不満だってあったりするんだけど、会社の人間関係に不満持ったことない。みんな良い人。人は、不平・不満のないことに対してはあまり思考力を使わなくなる。幸せは幸せなときではなく不幸になったとき振り返ってかんじるもの、っていうのはそのあたりに原因があるんだとおもう。
まーそういうわけだから、最初に「どんな人と一緒に働きたいですか」って聞かれたときはちょっと面喰らった。個人的に、初対面の人を前にして「一番やっていけない」のは、うろたえることだと思う。うろたえるとナメられて、何を言っても言葉から説得力が欠落する。だから必死で頭を回したんだけど、そのときにすぐに浮かんだのが「そりゃ、仕事ができる人だろ」だった。
仕事については今だによくわからないけど、それを短時間でどれだけ価値を挙げられるかっていう競争なんだとすると、「仕事ができる人」がいるとチームの生産性、チームの生み出す価値が上がって、だれもがしあわせになる。だから仕事ができる人とは一緒に仕事がしたいですね、って思った。
でもそう言ったところで、学生さんはキツネにつつまれた顔をするにちがいないから、もうちょっと考えた。「仕事ができる人」ってどういう人なんだろっていうのを、ぼくなりに咀嚼しないといけない。
仕事ができる人は「なぜ仕事ができる」のか、っていうのを考えないといけないんだろうって思った。自分のするべきことがわかっているから。じゃぁなんで自分のすべきことが分かっているのか、ってところで、あぁそういうことなんだと思った。与えられた状況から、なにをすべきなのか分かるんだ。
「現状」っていう前提条件が与えられて、すべきことっていう出力を出す、そういうところに秀でているのが、ぼくが思う「仕事ができる人」なんだって思って、それを軸に説明をした。与えられた状況があるだろ、そして自分たちの目指すべきゴールがあるだろ、そしたらそのゴールに向けて、そこで何が問題で何をすべきかっていうのを自分で考えられて、まわりと共有できる人とは一緒に仕事がしたいですね、って話をした。広く言うと論理的思考力って言われるものの範疇だとおもう。頭に描いてたのは、光線は目的地まで最短時間で到達できる進路を選ぶっていうフェルマーの原理だった。みんながそういう進路を共有できるチームっていいなって思った。
企画みたいにアイディアをガンガンだす人とか、「現状」からやるべきことを考えるのスゴいたいへんだとおもう。いや知らないけど。0 から 1 を生み出すようなむずかしさがありそう。わからんけど。
それにくらべるとエンジニアみたいなの、恵まれてるかもっておもう。なにかに具体的に困っているからこそ IT が必要になるんだから、解くべき問題も明確。あとはそれを技術でなんとか、みたいな。