理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

有限加法族とジョルダン測度

ルベーグ積分を定義するにあたっては色々な準備が必要で、まずはその初歩となる加法族、完全加法的といった定義を押さえていきます。 有限加法族 与えられた空間$X$の部分集合の族$\mathfrak{F}$が以下の条件を満たすとき、$\mathfrak{F}$を有限加法族と呼び…

印鑑レス口座の振替依頼手続きに印鑑が必要だった話

届出印を変更するより、印鑑レス口座にした方が便利そうじゃん 印鑑レス口座とは かんたん手続アプリで印鑑レス口座に切り替えてみる 口座振替依頼書を持って銀行へ行く 印鑑レス口座を用いた振替依頼には印鑑が必要だった 振り返り 先日、三菱UFJ銀行への口…

測度論:ルベーグ測度と可測集合

測度とは何か 測度が満たすべき条件 外測度の定義 測度が定義できる集合 可測である条件の言い換え $R$は可測集合か $A$が可測ならその補集合は可測か $\emptyset$は可測か $A,B$が可測なら$A \cup B$は可測か $(X \cap A) \cup (X \cap A ^{C} \cap B)$ $A,…

中心極限定理を証明するために:測度論との出会い

大数の弱法則の次は中心極限定理です。 中心極限定理は非常によく知られた定理ですが、高専・大学とこの辺りは「そういうものだ」して、しっかりした証明を学ぶことはなかったように記憶しています。今回せっかく統計を学ぶのならと中心極限定理の証明を理解…

RAGとFine-Tuning:LLMが持っていない独自の知識を使うには

ai

最近はどこもかしこもGenerative AIの情報で溢れるようになってきています。その中でもよく聞くのが、LLMが未学習である情報(例えば、企業等の組織内のデータ)を学習させ、それを元にした利用がしたいという話です。 LLMが未学習の知識を利用したい RAG (…

チェビシェフの不等式と大数の弱法則

チェビシェフの不等式 期待値$\mu$、分散$\sigma ^{2}$を持つ確率分布に従う確率変数$X$があるとします。 このとき任意の実数$k > 0$をとり、分散$\sigma ^{2}$の定義式から不等式を導いていくと、次のような不等式が導けます。これをチェビシェフの不等式と…

自由度$(m _{1}, m _{2})$であるF分布の確率密度関数を導出する

独立に$\chi ^{2} (m _{1}), \chi ^{2} (m _{2})$に従う2つの確率変数 $W _{1}, W _{2}$があるとき、それぞれをその自由度で割って比をとった $$ F = \frac{\frac{ W _{1}}{ m _{1}}}{ \frac{W _{2}}{ m _{2}}} $$ が従う分布を、自由度$(m _{1}, m _{2})$の…

VSCodeでNerd Fontsを表示させる

Nerd Fontsとは何か Nerd Fontsは、著名なプログラミング用フォントにグリフをまとめて追加したものです。 GitHub - FortAwesome/Font-Awesome: The iconic SVG, font, and CSS toolkitやGitHub - primer/octicons: A scalable set of icons handcrafted wit…

$t$分布の期待値と分散

今日は$t$分布の期待値と分散を求めます。 期待値 分散 積分項を求める 分散を求める 自由度が$m$である$t$分布の確率密度関数は次の式でした。 $$ f _{m} (t) = \frac{\Gamma \left( \frac{m+1}{2} \right)}{\sqrt{\pi m} \cdot \Gamma \left( \frac{m}{2} …

Starshipを使ってシェルプロンプトをカスタマイズする

重い腰を上げてWindowsマシンでCygwin環境を構築することにしたとき、やはり気になるのがシェル環境です。 As-is Starship プリセット プロンプト設定の何が嬉しいのか 設定 As-is 僕のメインPCであるMacでは、以下のようなプロンプトを使っていました。 Pow…