理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

中心極限定理を証明するために:測度論との出会い

大数の弱法則の次は中心極限定理です。 中心極限定理は非常によく知られた定理ですが、高専・大学とこの辺りは「そういうものだ」して、しっかりした証明を学ぶことはなかったように記憶しています。今回せっかく統計を学ぶのならと中心極限定理の証明を理解しようとしたのですが、いくつかステップを必要とすることがわかりました。

中心極限定理の証明のために

中心極限定理は一般に、互いに独立した確率変数$X _{i}$の相加平均$\bar{X _{n}}$について$n \rightarrow \infty$とした時、その確率分布のwikipedia:特性関数 (確率論)が正規分布の特性関数と一致することによって証明されます。

特性関数の一致によって確率分布の一致を示す場合、その論理的な基盤は、「特性関数が一致すれば確率分布が一致する」という命題が正しいのか、すなわちその一意性です。確率変数$X,Y$それぞれの確率分布関数$f,g$とそれぞれの特性関数 $\varphi _{X}(t), \varphi _{Y}(t)$に関して、$f = g \Leftrightarrow \varphi _{X}(t) = \varphi _{Y}(t)$が成立するのか。

この命題はLévyの反転公式によって証明できるのですが、ではそのLévyの反転公式はどう証明されるを追っていくと、wikipedia:フビニの定理wikipedia:優収束定理といった定理に支えられていることに気づきます。そしてこれらの定理を証明を見ると、必ず出てくるのがwikipedia:ルベーグ積分でありwikipedia:測度論でした。

測度論と統計学

なんとなくは分かっていたのです、統計学の基盤が測度論であることは。これまでもたくさん、確率測度というキーワードは目にしていました。でも、それが分かってなくてもなんとなく統計学理解できてきているし、ということで見て見ぬふりをしていました。

しかしいよいよ、なぜ「中心極限定理」が成立するのかが腹落ちしなくなってきたので、測度論を学びはじめます。評判の良さそうな書籍だったので「ルベグ積分入門」を購入し、勉強中です。