理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

VMware 徹底入門

読んだ。今年の 8 月末に vSphere 5.5 がリリースされたけど、この本は 5.1 までの対応版。

ISBN:978-4-7981-2842-9:detail

もともと、iSCSI や FC といったストレージ周りやネットワークまわりは得意でなかったので、そのあたりの操作感だったり概念だったりを掴むのに苦労した(というか、今現在でも掴んでないと思う)けど、今さらながら仮想化というのは便利なもんだと思った。小並感である。
物理的なコンピュータリソースを仮想化する、というのは、もちろんそれだけでも革新的なことだったんだろうけど、それをさらに昇華して VM をハイパーバイザ間で移動(vMotion)させることができたり、vMotion の考えをロードバランスに拡張してハイパーバイザ間で自動負荷分散(vSphere DRS)できるようにしたり、複数のハイパーバイザ上で HA クラスタを構成(vSphere HT)したりして、別次元の領域に応用しているところに感銘を受けた。なにかしらの要素技術(ここで言えば、仮想化) ができることによって、要素技術が別の領域に応用されていく、といった技術革新の流れをそのまま文書上で読んでいるかんじだった。

10 年(?)くらい前は、Windows 上に VM をつくって Linux が動くってだけで感動していたのに、いつのまにか vMotion という考えが出てきて、あまり追わないままにしてたら、また、いつの間にか vSphere HT だったりといった別技術に発展していた。IT 業界は本当にドッグイヤーというか、油断したら技術者として死ぬ、みたいなところを実感した。
この本読む前は、略称が多すぎるんやクソがとか、vSphere DPM と vSphere DRM って紛らわしいんや、みたいなかんじで文句タラタラだったんだけど、読み終わってみて VMWare すばらしいです、今後もがんばってください応援してます、っていうかんじになった。


この本を読みはじめた背景として、vSphere の SDK ドキュメントとかを読んでて意味不明だわ〜〜っていうかんじだったのだけど、この本を読んで意味不明だわ〜〜が 6 割くらい減少した気がする。vSphere における「フォルダ」とか「クラスタ」といった概念について、直接的な言及はないのだけど、特定の機能まわりの記載から、間接的に「これはこういうことなのか」というのが伝わってくるかんじだった。4 割意味不明感が残っているんだけど、実際に触ってみないとちょっと苦しい。