突然ですけど,ぼくは高専という教育機関に青春の 5 年間を捧げたクチです.
高専に通うということは一般に高校と呼ばれる教育機関には通っていないことを意味しているわけで,高校と比べて高専はどうだという話はできません.しかし,高校に通う人口に比べて高専に通う人口というのは圧倒的に少なく,結果「高専てなに?うまいの?」みたいな反応はわりと多い.そこでぼくは,高専とはこんなところなんだよと,地球の片隅で叫ぶことにしたのです.
講義
高専はぼくの記憶だと 60 校くらいあって,日本全国に散在しています.ただ,そこで一貫した教育が行われているかというと,ちょっと良くわからない.どうも何を教えれば良いのかという部分はかなり縛りがゆるいらしくて,特に専門科目は先生たちが好きなように教えていたような印象があります.まぁそのあたりは大学と似たようなものかもしれません.
高専は 5 年間の教育を行う教育機関です.ぼくは情報電子工学を学ぶという肩書きで高専に入学しましたが,高等専門学校 - Wikipedia に書かれているように,一般教育科目と専門教育科目を並行して学んでいきます.年次が上がるごとに後者の割合が増え,4,5 年になるとほぼ専門科目という形になります.
ただ,1 年(高校一年に相当)では教育科目ばっかりかというとそういうわけでもなく,1 年からプログラミングの授業とかは普通にありました.高専で最初に触れた OS は FreeBSD であり,最初に触れたエディタは Emacs みたいな環境です.かといって,Emacs はこう使うんだよみたいな講義は 1 時間のみであり,その有用性に気づくまでに 3 年はかかったりしました.それまではずっとマウスで Emacs を操作してたぜ!!!!
数学A だの B だの C だのという教科は,普通高校と同様にあります.ただ,もともと高専というのは理系色が圧倒的に強いので,文系科目の比率というのは低く,また学生の興味も高くない.あなたの周りの高専生はもしかすると歴史だの古文だのに疎いかもしれませんが,許してあげてください.
ぼくはプログラミングが好きだったのでプログラミング系講義の印象が強いのですが,大学と比べてもそれほど遜色があったとは思いません.簡易シェルを作ったり,簡易ウェブサーバを作ったり,オセロの思考ルーチンを作ったりといった講義は,大学で情報を学ぶ人であればだいたいやったことがあるんじゃないかなと思います.シェルを作る課題については,阪大でも全く同じ課題があって,高専のときのプログラムを少し改変しただけで提出しました.学ぶ言語はぼくの通った高専の場合,
- C
- Prolog
- MASM
くらいでしょうか.言語の種類という意味では大学の方が圧倒的に多かったです.Prolog をなぜ学習させたのかは未だに分からない.
HW に関しては,デジタル回路,アナログ回路をそこそこと言ったところ.Z80 だの,発振回路だの,ぼくはあまり好きじゃなかった.まぁ HW であれ SW であれ,大学の学部で行う専門教科の教育課程は高専のそれとそれほどレベルの差は感じませんでした.ただ,進むスピードは大学の方が圧倒的に早い.大げさな話でなく,2 倍は早い.よく他の学生はこのスピードについていけるなーと思った覚えがあります.