可能性があるって言葉は便利すぎて、本当に使い心地がよろしい。
可能性がないのを証明するのはスゴい難しいです。数みたく静的なものを扱うときだって「存在しない」ことを証明することはたいへんなのに、ぼくたちが生きている社会はやたらデカいくせに、いっつもムダに動き続ける。こんなんじゃ全体を理解するなんてムリですし、そういうムリなところがあるうちは「可能性が存在しない」なんてことを証明することはできません。
たとえば、ぼくが明日 T シャツとジャージだけで宇宙に行って宇宙人と結婚してくる可能性はあるかって命題があるとして、まぁ普通に考えるとありえません。ですけど、もしかすると今日の夜に突然成長期になったぼくの体に有害な紫外線を防ぐ皮膚みたいなのができて、ついでに 1 時間スゴい筋トレしたら酸素なしにエネルギーを発生させられる筋肉がついて、宇宙に行けるようになることも考えられます。宇宙に行ったら宇宙人がいるに決まってるし、おれがこの人と結婚するって言ったらそれはもう結婚したことになるから、ついにぼくは T シャツとジャージで宇宙人と結婚できたことになる。可能性があるっていうのは、ほんとうに夢のようですね。
