内積
ベクトル空間
の2つの元
に対して実数
が対応し、次の性質を満たすとき、
に内積が与えられたといい、
を
と
の内積と言う。
ここで等号は
内積が与えられたベクトル空間を計量をもつベクトル空間(あるいは、内積空間)という。内積空間の元に対し、
を
のノルムという。
における、
に対し、
とおくと、
は内積を与え、このとき
をn次元ユークリッド空間という。
を内積空間とするとき、
に対し
が成り立つとき、
と
は直交するという。
n次元の内積空間
の基底
が
を満たすとき、正規直交基底という。
固有値問題
ある
でないベクトル
が
によって
倍に移される状況がおきるとき、すなわち
が成り立つとき、
を
の固有値という
に1つの正規直交基底を取って、
と
を同一視する。このとき、
は
から
への線型写像として、n次の正方行列
によって表される(とする)。
の基底ベクトルを
とし、
と表すと、
は
への基底変換の行列となり、
という
が定義できる。
ここで、
n次の正方行列
が直交行列によって対角化可能となるための必要十分条件は、
が成り立つことである
今までは実数を考えてましたが、次回からはこれを複素数にまで展開する話になるようです。ようやく複素ベクトル空間でてくるな。