ガマンというのは日本人の美徳です。日本人たるおまえらは我慢して我慢してここまで来た。ですからガマンってヤツは実に尊くて、日本人の生活の隅々にまで根付いています。
一週間後にテストが控えてるから遊ぶのを我慢したり、給料が月に 200 万くらい欲しいよなーって思っても我慢したり、やばい膀胱がはち切れる! ってなっても歩くのがメンドくせーから排出を我慢したりする。ぼくとかは幼いころからタマネギ嫌いだったんだけど、それでも偉いから給食に意味もなく出てくるタマネギを我慢して牛乳で飲みこんだりしたからマジ偉い。幼いころから我慢です。我慢しないヤツとかは「あいつは空気が読めない」ってバカにされる、それが日本です。みなさんもガンガン我慢しよう。
ぼくもそんな風にガマンに我慢を重ねて、革靴がやばい状態になってても我慢していました。どんな風にヤバいかというと、雨の日になると靴の中がムチャクチャ濡れる。上から雨水が入っていくんじゃなくて、アスファルトから水を吸引するかんじ。もはや靴の役目を果たしてなくね?って内々には思っていたんだけど、そんなのはダメだ、我慢だ、我慢こそ美徳だし、美徳こそ我慢、ぼくのアイデンティティが我慢です、みたいなかんじで、ぼくは 1 ヶ月くらいその靴を使い続けた。
しかし、もうダメです。我慢はよくない。こんな寒い日に水が入るような靴だと、霜焼けになる。霜焼けはダメです。マジでかゆい。霜焼けになるなら空気が読めない方がマシだ。ぼくはそう思ったので、新しい革靴を買った。
新しい革靴は良いです。なにが良いって、水を吸い込まない。水を吸い込まない靴は良い靴だ。霜焼けになりません。ですからみなさんも新しい靴を買いましょう。