会社員の妻がフリーランスとして独立することになりました。これはすなわち、第2号被保険者から第1号被保険者への変更を意味します。
第2号被保険者は3階立ての年金制度のうち、かなりの部分を企業が保証してくれます。一方で、第1号被保険者は個人に委ねられる部分が多い。
そのうちの利用できる制度として付加年金と国民年金基金等があり、今日はその2つの違いを調べてみました。
付加年金
付加年金では、第1号被保険者と任意加入被保険者が、国民年金の毎月の保険料に加え月々400円を納付します。 年金額は、200円 x 付加保険料納付月数です。例えば30歳から60歳まで払ったとすると、200円 x 12ヶ月 x 30年=年額72,000円が年金額にプラスされます。
令和元年簡易生命表によると、男の平均寿命は 81.41 年、女の平均寿命は 87.45 年となり
上述の通り、厚生労働省によれば女性の平均寿命は87.45年ということでした。 65歳から老齢年金を受け取るケースを考えると、受給額から払い込み額を引いた1,472,400円だけ得することになります。掛金に対するリターンの割合は、1122%と結構お得な感じですね。
国民年金基金
もう1つ、国民年金基金について。 国民年金基金は、年金制度上1階しかない第1号被保険者に対して、2階部分を提供する私的年金です。
大きく分けて、職業限定で加入できる職能型国民年金基金とそれ以外の人が加入できる全国国民年金基金に二分されます。 職能型国民年金基金は以下の3つしかないため、妻は全国国民年金基金への加入が候補となるでしょう。
- 歯科医師国民年金基金
- 司法書士国民年金基金
- 日本弁護士国民年金基金
また、国民年金基金にはパターンがあり、1口単位で選択することになります。 全部で7パターンありますが、遺族一時金の有無と保証期間によるパターンわけのようです。保証期間内に亡くなった場合、遺族に遺族一時金が支給されます。
掛金および年金額については洗濯するパターンと口数、加入時の年齢が主となるインプットになります。シミュレーションは下記ページで可能でした。
例えば、30歳前後で遺族一時金のないB型に1口で加入する場合、掛金は月額約13,000円、年金額は年額約250,000円でした。 受給額から払い込み額を引くと、こんな感じ。リターンは120%くらいかなと。
同様に、B型の口数を増していくと、おおよそこんな感じ。年金なのであまりリターン率には興味がないのですが、 B型加入を前提とすると、付加年金の方がお得かなという結果に見えます。
B型の口数 | 平均寿命までの掛金 | 平均寿命までの年金額 | 差額 | 年金額/掛金 |
---|---|---|---|---|
1 | 5,612,500 | 4,680,000 | 932,500 | 120% |
2 | 8,306,500 | 6,840,000 | 1,466,500 | 121% |
3 | 11,000,500 | 9,000,000 | 2,000,500 | 122% |
国民年金基金と付加年金の関係
なぜこのエントリで国民年金基金と付加年金を退避しているかというと、両者の払い込みが排他的だからです。 実態としては、国民年金基金の一口目には国民年金の付加年金相当が含まれることになっており、付加年金の二重加入防止が目的だとか。
国民年金基金に加入中は、付加保険料を納めることはできません。 基金の1口目の給付は、国民年金の付加年金相当が含まれていますので、付加年金の二重加入を防ぐため、付加保険料を納付されている方が基金に加入される際には、市区町村役場で、付加保険料を辞める旨のお手続きをお取りください。