理系学生日記

おまえはいつまで学生気分なのか

アンケートに潜むバイアス

アンケートに関して最近ぼくが思ってるのは二つです.

  • アンケートはうまいこと使うと自分の欲しい結果を得られる
  • アンケートは厳しい意見にだけ注目した方が良い

アンケートをうまいこと使う

アンケート結果をフィードバックして,次回はより良く何かを行うっていうのはとても聞こえが良い.なんかカッコいいし,できるビジネスマンっぽいですね.でもアンケートを取る対象が顔見知りだったりすると,大概アンケート結果を見て自己満足に浸って終わりになる!!

就職活動のころを思いだしましょう.同級生はみんな,猫も杓子もみな一様に「皆が喜んでくれる仕事がしたい!」みたいなことを言ってましたね!! なんかよくわかりませんけど,人は相手が喜んでくれると嬉しくなる生き物なのです.ぼくは,こういうのって相手が喜ぶと自分も喜ぶみたいな同調作用なのかなって思っていますが,そういうのはどうでもよくて,とにかく相手に喜んでもらうことはステキなことで,そこに理由なんかないんだ! 誰だって,人が悲しむ姿なんてみたくないしな!

そういうのを前提に考えみましょう!!

アンケートというのは基本的にアンケートを出した側がその結果を見ることになります.じゃぁそのアンケートを出す側が顔見知りだったりすると,「相手に喜んでほしい」という思いを持っている答える側は,だいたい良い評価しかつけない.5 段階評価とかだと,あんまし良くなかったなーって項目が得るのは 3 とかで,良かった項目とかは 5 が付けられる.結局,どの項目も平均点の 3 以上がついて,アンケートを出す側は「やったーうまくいったよー」みたいなことになります.結果として何も改善されなくて,残るのは喜びだけみたいなことになる.こんな風にアンケートというのは,基本的にバイアスがかかるものなのです.

そういうわけで,アンケートはむしろ,「こんな風にぼくはうまくやったんです!!」ってのをアピールしたいときに使った方が良い.アンケート対象を顔見知りに絞っておくと,基本的に平均点以上が出る.デキレースみたいな感じですけど,アンケート以外に評価を数値化することができないことも世の中多いので,うまいこと使うとうまいことなる気がします.

アンケートは厳しい意見にだけ注目した方が良い

上のようなことになるので,アンケートで良い結果が出てもあんまし意味はない.むしろ厳しい意見にのみ注目した方が良さそうです.
相手に喜んで欲しいという感情を抑えた上で悪いところを指摘するというのは,特に顔見知りが相手だとなかなか難しい.その難しさに打ち克って書いてもらえる辛辣な意見というのは,かなり価値があると思います.まぁお前が嫌われてるだけって話もあるけどな.

公平なアンケートを取る方法

上のは全部顔見知りのアンケートって前提ですけど,じゃぁアンケートを取る対象をその他大勢にすると公平なアンケート結果が取れるかというと,そんなことは無いと思っています.アンケート対象となる方の参加意識,帰属意識が希薄だった場合に得られるアンケート結果というのは往々にしてオール 3 とかオール 4 とかが多い.こういうのは多分,集計結果の中で完全なノイズになってしまう.そういう意味でアンケート回答率とかって意味を成すのだろうかみたいな疑問も頭をもたげてきます.むしろ,アンケート回答率を低くしても良いから自由記述欄を増やして,その意見を拾った方が貴重な意見のみ効率良く拾えるかなっていうのが,ぼくの結論なのでした.